いたれりつくせり。

アニオタからジャニオタ。オタクのオタク。

横尾渉(職業・アイドル)に憧憬を寄せて

安心してください、担降り宣言じゃないです

 おはようのベルがなる。横尾担の朝は早い。動物全般に興味がなく、かわいい子猫特集♡みたいな番組を人生で殆ど見なかった私が、『ペットの王国 ワンだランド』を見て顔をほころばせる先は、かわいい犬でも猫でも、はたまたホワイトタイガーでもなく、我が自担横尾渉である。

 今日も横尾さんはロケに行った。ロケ回の横尾さんはよくしゃべる。30分番組を食い入る様に見つめ、横尾さんの一挙手一投足を追いかける。飼育員さんの話を真面目に聞き、動物を慈しみに溢れた眼差しで見据え、スタジオでは関根勤さんと篠田麻里子さんという芸能界でははるかに格上にあたるであろう二人に、ロケで見てきたことなどの解説をする。

 今日もよかったな、ワイプだけじゃなくロケもあったし沢山映ったな、いっぱいしゃべってくれたな。日曜の朝、多幸感に酔いしれながら、まだ横尾さんを見足りなく『2015 CONCERT TOUR KIS-MY-WORLD』のブルーレイのマルチアングルを見始めた。 

 わんダフォーの横尾渉はとにかくいきいきとしている。ポップな踊りにキュートな衣装、表情をころころと動かし、アイドルしてます!という印象で、思わず見ていて笑顔になる。ifの横尾さんは、それはそれは儚くて、大きくて細い手でフリを踊り、真剣なまなざしで客席を見据える。有能すぎるマルチアングルに、あの日に京セラドームで見た光景を重ねる。

 はたと気づく。私は歌って踊る横尾渉を見るのが好きだ。もちろん動物番組に出てる横尾渉も好きだ。というか、アイドルという職業を彼が選んでいなければ、ロケにいき動物と戯れる横尾さんは見られなかっただろう。ただ、7人グループKis-My-Ft2の一員として、ドームを、ひとつではなくいくつも埋める横尾さんが、とてつもなく愛おしい。

 そしてまた、はたと気づく。こちらの横尾さんは、本来横尾さんが意図していなかったほうの横尾さんではなかったか。確か彼は、アイドルという仕事をなめていたんじゃなかったか。そんなこと、一万字インタビューで言ってるんじゃなかったか。

 「言ってるんじゃなかったか」と書いたのは、私がそれを読んだことがないからである。そう、自担を決める上でも他担を沼に落とすうえでも恐らく一番の武器になるであろう一万字インタビューの、横尾渉のものを、私は読んだことがなかった。

 これには理由がある。

 キスマイにはまり、初めてジャニーズアカウントを作った当初、TLに流れてきたのだか、注目ツイートとして見たのだかわからないが、私はあややさんのブログを読んだ。その頃あややさんがジャニオタ界の超有名ブロガーであるとは知る由もなかった私は、このブログを読んで、「横尾さんの一万字はそんなにクズ*1なのか」と打ち震えたものだった。

moarh.hatenablog.jp

 新規であり、そしてふらふらとした掛け持ちであるがゆえ、私は応援するグループの歴史を深くまで掘り下げることを重圧にも義務にもしていない。全部知るなんて私には無理だし、そこまでしたらハマるより前に飽き飽きしてしまう。知っている部分だけ知れればいいから、はまったところなのに横尾さんを嫌いになりたくなんてないから。批判が多かった、と聞いて、今はまだ読まなくていいか、と心の端の方におくことにした。今日ふと、はまってから1年と3ヶ月以上たち、横尾さんの一万字、読んでみるか、という気分になった。

 カタカタとネットの海を彷徨い、そして見つけた。

 読んだ。

 号泣した。

 私がJr.の頃から彼を応援していないからかもしれないけれど、クズだとは思わなかった。横尾さんはあまりにも私の知る横尾さんで、そしてあまりに私が応援したい!と信じた横尾渉と同じだった。

 

「他のメンバーは見下してました」

「結局、こういうことになるんだって。期待したり、夢見たりしても、簡単に壊れるんだ。もう、いいやって。」

「努力しなくても、グループにいれるから別にいいでしょ、このままで」

「何必死にがんばってんだこいつら。ダサイねって。」

 ぱっと見たらアイドルとは思えない発言のオンパレード。ザ・クズ(ごめん)

 私の内心だって同じぐらい汚い。汚いけれど普段はそれをひた隠しにしてツイートしている。ブログだと長い文章だからポロっと出ちゃうこともあるけれど、基本は聖母のような心で万物を受け流すぐらいのスタンスで生きてるつもりだ。でも横尾渉は隠すことをしない。

 私もクズだし、横尾さんも…うーん、クズと捉えられてもおかしくない。私もよく知っている人に、自分のことを相談するとき、あんたクズだねって言われたりする。そして彼らは同じく続ける。でもそこまで本当にクズなの?って。なんでそこまで周りを固めるのって、自分が言い訳できないぐらいクズになって、そんなに自分責めて自分はクズだって周りに証明して何が残るの。それに対しての答えは自分の中では見つかっていないのだけど、これらのことを包み隠さず言った横尾さんに、勝手に同調して納得して安心して寄り添った気分になった。 

 

 お兄ちゃんのためにアイドルをやっていた、という横尾さんはやめようとする。でも、ここでやめたら兄貴のオモチャだという怒りを彼はもった。そして横尾さんはやめなかった。なんでやめないの?って、やめたら本当のクズになるからじゃないだろうか。そして、もしかして。「やめる勇気がなかった」んじゃないだろうか。少なくとも、ここで彼はアイドルをやめないという選択をした。

 

 デビューが決まって

「うれしさの次に、”これでいいの?この流れに乗って本当にいいの?”って思いが浮かんで。本当はメンバーに入ってなかったんだぞ。…いいのか、俺、このまま列車に乗って。」

「”デビューの日、俺いねーかもしんない”って。」

 この二つの文は心を大きく掴んで揺さぶって振り落とした。逆なのだ。「本当はメンバーに入っていなかった」というのは、横尾さんがあくまで誰かが頭を下げてくれた、と考えている結果論的考えで、彼はメンバーに入っていた方の人である。少なくとも「あの日の4人」*2みたいな状況は、ここでは起こっていない。それでも尚彼は自分は入っていないという。そして「選ばれたもの」であるにも関わらず、やめることを考える。わあ。もう一人の自担の一万字とぜんぜん違う。でも同じなのはどちらも死ぬほど悩んでいること。どちらも、ものすごく苦しいこと。そしてどちらの気持ちも、ものすごく、ものすごく分かるということ。

 

 「俺、いつもみたいに、"くだらないねー。ドームでなんて、できるわけねーだろ"って思ったんです。」

 この横尾渉が、今ドームにたって、きっとその時は想像もしなかったソロで会場を沸かせている。ギターをかき鳴らし歌う横尾渉は、それがたとえ彼の本来想定し得なかった未来だとしても誰よりも大きく未来に輝いてる

 ”そんなこと、ずっと前からわかっているよ。わかっててやんなかっただけなんだよ。”

 これなんだよ。彼がクズなのにクズになりきらない理由はこれだ。彼は分かっている。じゃあなんでやらないの、と人はいう。そういう問題じゃないんだ。わかっててもやるのは、ものすごく難しいんだよ。わかってたらやれる人たちは、なんでやらないのと言える人たちは、私からすると出来る人たちで、キラキラで、それこそ人生のセンターみたいな人たちなんだ。

 

 そして彼は変わった。"キスマイのためになること、メンバーが気持ちよく仕事するためにできることを全部やろうって"。

 

 

 

 この一万字インタビューを探すための「横尾渉 一万字インタビュー」検索で、ある意味私をこの一万字から遠のけていたあややさんのブログを見つけられたのがものすごく嬉しい。多分ちょっとは横尾さんに詳しくなって、一年三ヶ月ぶりに読んで大きく心を動かされた部分がある。

「わたる♡」に対するもどかしさは、自分に対するもどかしさである、と定義づけられると、喉に引っかかっていたものが取れた気がした。

Kis-My-Ft2横尾渉さんの美しい車庫入れ - それは恋とか愛とかの類ではなくて

 ここ。

 私はアイドルに、頑張ってほしいと思っている。自担が自信のないとき、どうしても怒ってしまう。それに関しては以前他記事*3でも書いたのだが、それはすなわち自分がもどかしく、彼らの自信のないところを見ているとどうしても自分を重ねてしまうからだ。

 以前どなたかのブログで読んだ、「自担=ライバル」という精神で生きている。あなたもがんばれ、私も頑張る。お互いちがう高みを目指していきたい。ぶつかることもあるけど分かり合っているつもりだし、向こうが自信のない素振りなど見せていると、どうもこちらもやる気がでない。私が相手にしているのはこんな人だっただろうか、もっと出来るだろう!そうけしかけたくなるのだ。

 彼に対するもどかしさが私に対するもどかしさであると同時に、彼が見せてくれる世界は私が見たい世界なのだ。

 

 「(デビューが)ムリでしょ、どう考えても」と思っていた、本当に一握りしかつかめないデビューの夢をつかんだKis-My-Ft2は最強のアイドルだ。横尾さんは変わったから…多分、ちょっと不器用じゃなくなったから、きっとアイドルをやめない。10年経ったって辞めないと思う。5周年を迎えるKis-My-Ft2という大きな快速、いや、特急レベルの列車に乗って、見たことのない景色を見せてもらおう。ジャニーズ史に残る名言、「集合で見たらセンターと端って見えるかもしれない。でも好きな人から見たら、どこに映ったって、そこは真ん中。」ということが分かっている彼がいるグループなんだから安心だ。

 現世のこの7人じゃなければ横尾渉はアイドルをやっていないし、来世はアイドルになんて絶対ならないといっている。ああ本当にこの時代に生まれてよかった!横尾渉がアイドルを選んでくれた時代に生まれてよかった。私グッジョブ!お母さん産んでくれてありがとう!アイドルとして、どこへでも遠くへ行ってくれ、最初に好きになったときからもう遠かったから。テレビ画面でも、モニターでも、双眼鏡でもなんでも間に挟ませてくれ。

 『この街で時を超え 僕は君を選んだから』

私がこのコンサートツアーで一番印象に残ったワンフレーズが、また胸に浮かんだ。

*1:あややさんそこまでおっしゃってない

*2:2013-2014カウコンを御覧ください

*3:

niseri1012.hatenablog.com