人生が一番輝いていた14歳、通っていた中学校が六本木にほど近かった。
「都会」「怖そう」「ヒルズの街」
そんなことはない。私の庭、青春の街。
この街で、今年の冬、私の大好きな人が舞台の主演を務める。
冬は苦手だ。
でも、君の手がポケットに忍び込んでくれるわけでもないのに、
今年はとにかく、ドキドキが止まらない。
毛足の長い帽子、バッグ、アクセサリー。
どんどんと深い色を纏う店頭。
毎年見るたびに陰鬱になっていたが、今年は違う。
今年の冬は灰色じゃなくて、緑色なのだ。
ここから近づいてくる季節を想像して、
ひとりほくそ笑むのをもう何度やっただろう。
ワンピースに、ヒールのほとんどないパンプス。
思い描く私はいつでも、細く、小さく、かわいい。
冷たい空気をめいっぱい吸い込んで、吐き出す。
白い息が、雲のように空に溶けて消える。
「好き」という気持ちだけで、
どうしてこんなに可能性が広がる気がするのか。
彼が24歳に、私が25歳になるクリスマス、
街と、私と、彼と、それから
見守る冬昴。
ほら、やっぱりずっとクリスマス色だ。
冒険者たちのホテル、初日まで残り84日!
シンメ的な立ち位置の散文: