#私の自担がマラソン走りました
濵田くんが最初にそのことを匂わせたのは、たしかキスマイワールドより前、ジャニーズWESTのメンバーたちの夏休みが終わった週のなにわ部誌だったと思う。「過酷なトレーニング」を示唆し、「いずれ分かる」「その姿を見ることになる」と続けたことで、アクロバットかな?新しい技あるって言ってたしな〜などとニコニコ考えていた。
9月も始まり、10月クールからの仕事が次々と明かされた。流星くんにドラマ。桐山くんに朝ドラが決まり、小瀧くん単独初主演の舞台がいよいよ始動しはじめた。
「仕事来ないかな」
毎クール言っているこのセリフが、スポーツ誌の「濵田 中間 神山 マラソン」という見出しによって一瞬で叶った。
…え?
…仕事来てとはいったし決まったのは嬉しいけどマラソン?
人間の欲望とはかくも限りないものなんだなあ。だってどう考えてもお仕事が決まっていなかったメンツ…!
発表から一ヶ月少しでの走り。練習を始めたのは8月下旬とあり練習にとれた時間はせいぜい二ヶ月程度。重岡くんも言っていたけどその間にも大阪と東京を何度も行き来したり、ロケもしたりしてした。
練習を始めてからの彼は、ラジオで「自信がない」「求められるとできひん」「練習最近あんまりしていない」と言っていた。
「F1のエンジン載せてるって言われた」と嬉しそうにいった彼の、体脂肪率3.8%を誇る彼のぶ誌がだんだんと短くなっていく。
プレッシャーに感じているんだな、と私でも分かった。
私はとりあえず、彼のマラソンについて考えるのをやめた。
でも彼が繰り返し言い続けたのは「みんなに勇気を届ける」「みんなに希望を届ける」「少しでも明るい気持ちにする」。ぶ誌でも言っていたけど、彼にとってはそれが彼のアイドルとして、人の前にたつ職業として選んだことなのだろう。
金曜日のちちんぷいぷいで、彼は「走るのは怖い。でも自信はあります」と答えた。
ああ、やっと自信を得たんだな。
私は濵田くんの「自信はある」という言葉が好きだ。普段自己肯定があまり得意ではない彼のその発言は、人に聞かれたとき、求められた時に言うことが多いけど、それでもある程度自信を持っているときしかいってくれない。
ラジオでも、「ガッツで乗り切る」「3時間40分で調子よけばいける」と。ああ、練習して、大丈夫になったんだ。
そして当日がやってきた
カリフォルニアにいる私にとってマラソンの開始は午後5時。宿題をさっさと片付け、祈るような気持ちでeoネット光の生中継のサイトにアクセス。
…つながった。
eo光マジでありがとう。もうなんて言えばいいかわからない。
私の予定では、午後9時ぐらいまでには観終わって、みんなと騒いで、午後10時ぐらいまでに寝ればいっか。というものだった。だって4時間切れそうだって。
フルマラソンにチャレンジしている彼の最初の姿を見たのはMBS毎日放送さんの映像だった。
…歩いてる
え? 脳内パニックになった。歩いている?まだ序盤だ。人生の最大走行距離は高校生のときの5kmの私でさえ「マラソンで歩く=あんまりよくない」ということは分かる。
私は正直、神山くんのことを心配していたのだ。膝が悪いって。罰ゲーム免除になったとはいえ、神山くんのことを応援しつづけるつもりだった。完走まで。
でも濵田くんの調子がおかしい。
ツイッターで「濱」と「濵」検索を永遠に繰り返す。
私にはそれぐらいしかできなかった。
タイムキーパーに抜かれたのを見て、4時間15分を確実に過ぎると察した。
…罰ゲームだ。
正直いって怖かったのだ。神山くんの4時間切りの条件が解除された日から、脳内に最悪な想像があった。淳太くんが4時間以内でゴールして、濵田くんが過ぎてしまう。神山くんは過ぎても罰ゲームはない。
正直言って育ジャニさんが4時間以内の条件を急に変えるほど柔軟だとは思っていなかった。神山くんが4時間過ぎちゃって罰ゲーム〜膝も痛めてたししょうがないね!濵田くんはどっちでも大丈夫!みたいなオチだと思ってた。我ながら最悪。
見るツイート見るツイート、歩いてる、足ひきずってる、ふくらはぎ痙攣、膝曲がらない、つらそう。
…でも、でも。
全てにでもがついていた。
でも、笑顔。でも、ガッツポーズしてくれる。でも、丁寧に返事してくれる。でも、こっちを見て頷いてくれる。でも、対応が神。
…そんなのいらない。最初はそう思った。別にいいじゃん、そんなファンとか全員無視でもなんでもしてベストタイムのために走りきればいいじゃん。そう思ったのに気づいた。
ああ、違う。私が濵田くん自体に期待をしているんだ。この時が、彼の自信を取り戻すチャンスだって勝手に期待していたんだ。
ならないように気を付けていても、過度な期待をかけてしまうしそれを邪魔してしまう人は止めたくなってしまう。
でも濵田くんの目標は、
「無事に完走すること」
「ファンの皆さんに希望と勇気と笑顔を届けること」
だった。
じゃあいいんだ。濵田くんは丁寧な対応で、笑顔で、ファンの皆さんに色々届けてるんだ。それでみんなの応援からもっともっと色々もらってるんだ。
F1級のエンジンは故障しても進み続けた。ゆっくりとゆっくりと。
小休止をはさんだ私がまたツイッターを開くと5時間半のペースメーカーさんに抜かれていた。
4時間で終わるはずの戦いは、どうやら長丁場になりそうだった。
淳太くんは、運動音痴だけど意志力とアイドル力はピカイチの淳太くんは、走っていた。颯爽と。かっこいいと言われたいがために。強い。強いなあ。
こういうアイドルは本当に強いし、彼を一番に応援することに決めた人って彼に選ばれていると思う。世界中の女性からかっこいいと言われたい、そんな理由だけで42.195km走れる28歳男性が普通いるだろうか?いや、いない。これは反語の文法じゃなくてもいや、いないがつくとおもう。
欲望に忠実に目標に到達するがべく彼は走った。
4時間を超えて、4時間11分を超えた。
今回のマラソン、キツかったんだと思う。やっぱり過酷なんだな、と思った。
淳太くんを祝い、残りは二人になった。
TLに人は減った。情報が少なくなった。
6時間のペースメーカーさんよりは早い。いい知らせだ。
その直後に入ったのは、
神山くんが濵田くんを抜かした
という情報。
正直言って、やられたと思った。
もうだめなのだ私は。
神山くんの足の怪我を、心配しながら無意識に自担の保険にしていた。
神山くんがいれば自担は何してもおっけーぐらい考えていた。ほんっと最悪。
でもやっぱり神山智洋は意地っ張りで負けず嫌いで死ぬほど腹がたつほどかっこいい等身大22歳男性だった。ペースをどんどん上げていく。すごいなあ、さすが神山だなあとしか言えなかった。
だって神山くんはそういう子だ。これについてはマイP(双子の妹)から普段聞いているので知っている。これが神山くんのいいところだ。神山くんを応援する理由。そういうところ。
足が痛そう、というツイートばっかり回ってくる。
分け入っても分け入っても痛い足(適当に言った)
eo光の方にもなかなかうつらないし、
信号閉鎖がやばいとか。
信号閉鎖ってなんだよ。
いやいや、私はサブ4を、サブ4を目指すはずだったんだ。
信号閉鎖はやめてくれよ。
それはさすがに濵田くんのメンタルが持たない。
完走する、の目標が叶わないじゃないか。
急に不安になって、床に寝そべって涙が止まらなくなって嗚咽が止まらなくなって気づいたら号泣していた。
足が痛いのに、膝が曲がらないのに、一歩一歩歩いているんだろうか。
それで、彼が自分をまた「求められるとできひん子」と認定してしまうんだろうか。
そんなんじゃないのに。
最初は普通に見るつもりだったのに、気づいたらすごく熱中していた。
濵田の位置情報を探す手が止まらなかった。
たしかに私がF1級のエンジンに最初に求めたのはサブ4での疾走だった。
昨日のラジオを聞いてもしかして淳太より早くいけるんじゃ、とか期待した。
ふたを開けてみたら足の痛みに耐えながら、大量の女はびこらせて、もともと膝を故障させていた神山くんにも抜かれて、マナー違反のやつらにも神対応しながら自担は一歩一歩歩いていた。
それが濵ちゃんなのかな。と思った。
想像した。
ゴールラインで6人が待っていて、
私の自担が走りこんでくる。
最後の1ピースがはまって、ジャニーズWESTが全員集合する。
みんな濵ちゃんが大好きだ。いや、みんなお互いのことを大好きだと思うが、濵田くんってなんだか別格だ。
「濵ちゃんは、このグループには絶対必要な存在や」
あ、なにわ侍全員集合だ。日生劇場でのあの日の奇跡、あの日からの軌跡。
あ、これだ。
ハプニング王にふさわしいラストはここじゃないのだろうか。
これを予定調和でもなくやっちゃうんだから、やっぱりもってる。あの子もってる。
今の濵田くんにはきっとファンの声援が必要なんだ。
ならばいい、皆声を出してくれ。
私はここでキーボードを叩くことしかできないんだ。
もう声を出す気力も失ってしまったんだ。
一般の方も濵ちゃんを応援しているとか、名前を覚えてくれているとか聞いて感動した。
そうだ、濵ちゃん頑張れ。
ランナーさんも沿道の人ももちろんジャス民も、みーんな濵田軍団に巻き込んじゃってるんだ。
神山くんがゴールをした。
最後はガンダッシュだ。
さすが、さすが私が5年前だったら絶対担当になっている男。
そういうところでしっかりかっこつけちゃうところ、アイドルなところ、絶対に手を抜かないところ。真面目だなあ。本当に強い子。今まで折れなくて頑張ったんだもんね。
田村さんのゴールで大号泣した。
濵田くんのゴールが近づいていた。
ゴールラインではみんなが待っているとの情報。
…ああ、これが待ちわびていたゴールだ。
サブ4に入って余裕でドヤ顔する濵田君じゃない。
そんな濵田くんは、きっと私が勝手にみた幻想なんだ。
求められるとできひん子は、それよりもっともっと大きいハプニングを残していった。
そのハプニングを残して、ずっとずっと多くの人を味方につけて、彼を待っている、彼の大好きな最強の6人の仲間のもとへ走っていた。
時間を見た。7時間ギリギリでのゴールになりそうだった。
4時間で終わるはずの私の観戦は、6時間50分になろうとしていた。
ゴールの瞬間はしっかりeo光ネットさんの中継で確認した。
何度でもいおう。
eo光ネットほんまサンキューサンキュー。
ゴール直前、彼は走っていた。
ゴールをして、疲れている様に見えながらも何かを乗り越えたかのようだった。
スタッフさん全員にしっかりとハイタッチをして、膝に手をついて呼吸を整えたあと、スタッフさんに両腕を抱えられるようにして引きずりながら画面の外へ消えていった。
濵田くんにとっても、多分想定より長い戦い、想定よりもものすごい痛みでそれどころじゃなかったと思う。それでも彼はずっとずっと、ファンに笑顔とか元気とかを届けることに徹底しつづけた。彼が人の前に出る仕事につく時にした決意を、彼は守りぬいたのだ。
終わったらほっとして床から動けなかった。
この一ヶ月が終わって、発表から心配していたけど、ああ、やっと、自担がフルマラソンを走った世界になったんだ。
新世界誕生の瞬間を目撃した気分。この6時間48分で私の世界と、多分彼の将来も少しは変わった。
そして勢い余ってこの記事を書いていて、今寝る予定だった時間を大幅にオーバーしている。(笑)
最後に。
ゴールおめでとう。
大好きです。
9000kmの距離にいる私でさえこの感動と笑顔と勇気を全部もらったから、そこにいたみんなには絶対に届いたと思います。
膝直して、また軽やかなバク宙とか見せてね。
「ハプニング」というF1級のエンジンを積み込んだあなたを、これからもずっと応援させてください。
おやすみなさい。
追記:
マイPの企画に便乗させていただきました。