8月19日、午後8時20分過ぎ。AKBの曲が終わり、中山優馬くんのパフォーマンスのためにカメラがぐるりと回る。
目印代わりの頭がいない。人数は4人。松崎くんが目に入る。
「ふぉ〜ゆ〜かぁ…!」
息を吐き出す。パフォーマンスを見る。
Mステに出るのかすらも分からないのに、テレビの前に座り、彼らの出番を待つ。そんな応援の仕方は今までしたことがなかった。
その前の週に「中山優馬がMステに出る」という話があってから、「果たしてバックが誰になるのか」という話題は小さなうわさ話のようにタイムラインを駆け抜けていた。六本木で仕事をしているJr.たちか、はたまたふぉ〜ゆ〜か…
関西のFunky8が好きな者はそのなかでも、「舞台が休演日である」という事実に集中して、また、昨年の優馬くんのバックとしてずっとツアーについていたのもあって、その可能性にすがるように、静かに静かにYOLO momentの奇跡を再度願っていた。
Funky8。
藤原・大橋・リチャ・朝田・今江・真鳥・古謝・末澤という関西ジャニーズJr.の8人からなるユニットが、最近ものすごく好きだ。
関西ジャニーズJr.の中ですでに応援している室くん、向井くん、赤名くんは、ユニットで押しているというよりも「個人で」推しているところが多かった。(そんなことを言いながら、私は今の赤名・正門・小島・吉岡の4人もすごく好きだが)いかに彼に声援を届けるか、いかに彼にペンライトを振るか。極端な話、「私の好きな『彼』がやめないか」のみが応援するうえの一番大事なポイントになっていた。
Funky8の8人は、存在として認識することはあっても、「まあこの8人の中なら朝田くんかな、好き〜」「リチャ?リチャは好き〜」ぐらいの本当にゆるゆるとしたもので。「なぜこの8人なのか」みたいな物語は全く考えてこなかった。(現に、私が過去に入った松竹座公演で、8人が揃うのは今回が初めてである)
7月に、Funky8のなかで、一人「この子をもう少ししっかりみたいな」という子を見つけた。今までどおり、「個人で」推していこうと思った。事実、この8人の中にはよく知らない子もいたし、8人の存在と名前と雰囲気を覚えるのって結構大変だし。
それに、Jr.でグループを応援するのって、きっととってもとっても不安定だ。
いつ増員するかも、減員するかも分からない。グループに執着すると、そのグループが何らかの形で「幸せになれる」のは本当の本当に奇跡だなんて、濵田担の私は知りすぎている。8人もいて、Jr.のユニットであれば、4:4であったり1:2:1:4であったりのある程度の格差が出てくるのは仕方がないことだし。推しの子のグループ内の位置で一喜一憂するぐらいなら、「はいここに立ってる!天才!今日のパフォーマンスも最高!あ、グループ変わったの?うちの子さえいりゃ大丈夫〜!」ぐらいの堂々とした余裕で応援したほうが楽なのは分かっていた。
Funky8の沼を開拓するにあたって、一番大事な昨年の優馬くんの「歌おうぜ! 踊ろうぜ! YOLOぜ! TOUR」を機会があり*1見ることができた。
号泣した。
DVDの感想ブログではないので簡単にするが、とにもかくにも構成が天才で、中山優馬という、他の関西Jr.のメンバーに比べればずっと第一線で孤独なソルジャーとして戦ってきた男のアイドル論であったりアイドルとしての姿勢が見える。そして優馬くんが、屋良さんが、周りのスタッフさんが大好きになる映像になっている。
そのなかで屋良さんと優馬くんが末澤くん込みの彼ら8人をバックにつけようと考えたこと、しっかりとしたアピールタイムとコーナーがあり「Funky8」という名前を付けてもらえたこと。優馬くんと彼らがお互いのことを気遣い、一緒にこのツアーの間戦ってきたこと。映像のなかの涙は、そしてそれがこぼれる表情は、「まっすぐ」や「透明」の辞書の意味を書き換えられるんじゃ、というぐらい綺麗で。優馬はもちろんのこと、どう考えても、彼ら8人を8人として、売り込んでくる映像なのだ。*2
誰か1人だけ見ようとしても、どうしても8人を見てしまう。
DVDを観終わって、涙を拭きながら、「この8人が好きなんだなあ」と思った。
…というわけで、なんだかんだ彼ら8人をまるっと応援するに至っている。
舞台「寝盗られ宗介」にA.B.C-Zの戸塚祥太くんと出演したことも記憶に新しい藤原丈一郎くん。ダンスが得意、漫才が得意、ギラギラと燃え滾る闘志が目とトークに現れる、大ベテランの若手ホープ。
夢はスーパーアイドル、可愛い笑顔とハスキーボイスのギャップにやられる大橋和也くん。かっこいいとかわいいと、いじられキャラがおりなす奇跡。ブログの文章を見たらこの子の夢が叶わない訳がないと思わさされる。
関西Jr.の目印、草間リチャード敬太くん。関西Jr.の「よく知らないけどあなたのことは好き」好感度ブッチギリのNo.1。関西Jr.を一切知らない人でも通じる「リチャ」。常識人で紳士でどう贔屓目に見てもカッコイイ。見せるのではなく魅せるパフォーマンスで視線を奪ってくる男。
姐さんという通り名の朝田淳弥くん。女性らしいと言われるしなやかなダンスと、トークの時などに見える動き。本人がそれと男らしさとのギャップを心得ているところがまたニクい。2階席、3階席もよく見えている男の子。
大根と宇宙が大好き今江大地くん。アニメが好きでほにゃりと笑った優しい笑顔が「優しい」の擬人化。にもかかわらず、かっこいいダンスの伏し目がち、口を真一文字に結んで踊るギャップに射ぬかれる。
最年長、ファンサはお値段以上の林真鳥くん。チャラさと王子様さを兼ね備えるザ・アイドル。ファンのことを第一に、ファンを幸せにするがべく、喜ばせるがべく動くタイプの男。彼を見ると絶対に落ちるという噂がある。基本Funky担はみんな潜在的真鳥担みたいなところがある(イメージ)
ジャニーズに対する深すぎる知識とあくなき探究心でアイドルをしている古謝那伊留くん。大きな声と、なぜだか聞こえにくい滑舌がとにかく愛おしい。しゃかりきダンスとその笑顔を見ていれば、彼がアイドルを楽しんでやっているのがわかる。
儚いかっこよさはJr.の代名詞な末澤誠也くん。努力と実力でのしあがるタイプのシンデレラボーイ。グループをぎゅっとまとめるのに一役買った立役者。表情と目線がハッとするほど美しく、ゾッとするほど魅力的。
圧倒的な「クラスにいたら楽しそうな男子グループ」感!ジャニーズWESTもそうなのだけれど、どうして関西組ってこんなにクラスにいたら楽しそうかなあ! 本当にみんな好きだ!とりあえず推させてください。
彼らをグループで推すようになって、それこそ関西ジャニーズJr.をまるっと推す、という形にシフトしつつある。女性自身と過去のまいジャニを片手にちびジュまでを覚える戦いが始まった。結果ANOTHER出演者の名前はあらかた覚えることに成功し、今年の夏は松竹に二回入ったのだが、全員かわいいしかっこいいし目を引かれるので本当に目が足りない。舞台に常時1~5人ぐらい見たい対象がいるので、双眼鏡がない方が視点の切り替えが早く出来る。故に双眼鏡が意味を為さない。感想も「しんどい」「かっこいい」「むり」「みんな好き」しか出てこない。
同時に今年はもともとの好きな子も含め、当社比さらなるファンレター芸人になることを誓った。本屋や文具屋をあてどなくふらふらすることが増え、便箋や封筒やマスキングテープなどのおおよそ手紙に関する文具が増えまくり、ものすごい勢いで減っていった。今年の夏は、今までとは比にならないほどファンレターを書いた。
今はとにかく彼らを売りたいがために、こうしてぽつぽつとキーボードに打ったり、ファンレターを書いたりぐらいしか出来ないけれど、もうすぐ社会に出るものとしては、早く実力をつけて、なんかもう世界変えていきたい。
「Mステ、でたーーーーいっ!」と、なんばの大通りの小さな会場で、誰かが叫んだ。
「Mステ、だしたーーーーーーーいっ!」
きっとあの時、一週間叫び続けた私たちの声にならない声が、何かをどこかで変えられる。