はじめに
現場で見たこと、感じたことは、今心に残っていようともきっと数年後には忘れてしまう。そういう意味でレポって、思い出すのにものすごく一役買ってくれる。というわけでレポを書き始めたはずが、見た回数故か愛の暴走故か、感想とも言えるのかわからないものが出来てしまった。(めっちゃぽえみー)
以下は私が特に心動かされた、ラッキィィィィィィィ7内4箇所に深く言及して書きだしています。
- 迷宮SUMMER
- 君へのメロディー
- 3.1415926535/粉もん→ホルモン
- TAMER→Eternal
…書いた順番的に4番に一番力が入っています
迷宮SUMMER
しなやかに、セクシーに。見え隠れする何かを確かめたい。
Terribleが終わり、「I wanna make you make you...」が聞こえた瞬間、思わず中央ステージを二度見した。以前の記事で言及しているとおり私は自他共に認める迷宮SUMMER大好き+販促マンで、この歌をライブで聞くのを本当に楽しみにしていたのだ。踊る小瀧と藤井。いや、私が見たいのは彼らではなく…藤井がソロパートを歌い、小瀧が奈落に落ちる。違う、次は濵田だ。どこから出てくるか探さねば。バクステに堂々と立ち歌い踊る濵田君を見て思わず目を見開く。口を真一文字に結んで踊る様は玄人という言葉がふさわしく、ハイカットのスニーカーで軽やかにリズムを刻む。その青いスーツがぬめぬめと光を反射し、フリの細やかな部分ひとつひとつが私の鼓動を自在にコントロールする。この歌にはほとんど移動がないため、心ゆくまで踊りを堪能出来る。他曲に比べずば抜けた安定感で、静かな踊りの中に並々ならぬ闘志を燃やしているかのような印象を受けた。
「Make you make you make you...」のカメラ目線、少しニヒルな表情でウインクなど決めて見せれば、ああ夢か幻か。色気が、溢れ出るというよりは滲み出る、という表現がしっくり来る。
「水平線の向こう側」から、息を呑みその瞬間を待つ。大サビ、花道、歌いながら双方に体の正面を向けることを忘れず、聴き続けたCDの音源と、極めて近いが違う音が、アリーナに響き渡る。フェイクをの一番高い音の部分を、全身を使うように体を大きく曲げなら歌う様が、なんともいけない。そのあと先ほどの見る影もないように着実に踊りをこなすのを見ると、今見ていたフェイクは夏の夜の夢だったのかと思うほど。「She's wicked...」の部分で、神山くんが帽子をかぶっているのに気づいた。多分コンサートで一番、周りの全く見えていない数分間だった。
きみへのメロディー
優しく、ただ愛おしい。溢れる愛で、歌声で包みこんでくれる、頼もしい背中へ。
酒を持て、手を高く挙げろ…青と赤のライトが交互に妖しく光るパーティーが終わると同時に、7人がそれぞれ、ふわりと宙に上がっていく。
その背中。ものすごく頼もしく、美しい。ここまで背中をじっと見ていられるのだな、と思ってしまう。ペンライトの海を見ていれば濵田くんが何をしているかはある程度分かるし、モニターを見れば肝心の歌唱部分はしっかりと見られる。足でリズムをとる様、リフターの上下中に、片手で手すりを押さえながら前に踏み出してみる様。全てが愛おしくて守りたい。
その横顔。横から見上げる形で見たときに、濵田くんと、彼を照らすいくつかのライトが双眼鏡の中でとっても綺麗な景色となって、この瞬間をカメラで切り取りたくなった。頭のてっぺんから爪の先まで、私の観たかったものを見せてくれる。「かけがえのない人へ」と歌うときの表情も声も優しく、「その手は握ったままで」のところでマイクを持った手を包み込むようにもう片手を添え、指を組ませるようにぎゅっと握る。胸を締め付けられるような心地がする。
その表情。正面から彼を見たとき、彼の笑顔も、他メンバーの歌唱部分を優しく歌う様も、全てが見えてどきどきした。じっと彼を見続ける贅沢。富士額に光る汗、首筋、手首、表情。客席をよく見ているその視線は幸せを湛えていると、エゴでもいいから信じたい。手を振るとペンライトの海がざわざわと揺れる、その光景を作り出すことのなんと楽しいことか。
舞台が暗転し、暗がりのなか着替えに行く彼らを見ながら、またひとつ息を吐き出す。止まった時間が動き出したような気分になる。先ほどの表情、目線、歌声、ほんの小さなことも全て記憶に残したくて、型にはまらないエージェントたちの説明を訊きながら、思わず立ち尽くしてしまう。
3.1415926535/粉もん→ホルモン
真面目で大人しそうな印象からの変貌。屋台骨の番長の安定感。
粉もんが終わり、舞台の暗転と共に始まる映像。パチパチと炭が弾ける音が響き渡り、下で漢たちが着替え始める。倍率の低い双眼鏡を手に、とにかく見据える。あばらが透けて見えそうな薄い胸板に半して隆々とした腕。先ほどの濵田くんはどこへやら、そこには番長という響きが似合いそうな男前。どうしてそんなに似合うのか。妄想の具現化すぎる。I♡ココロと己の体の正面に刻みつけ、背中にはしっかり「ホルモン男児」。この衣装、この演出を考えた方には足を向けて眠れない。
とにかく見据える目が強い。胸を張り、腕を組み、堂々と立ち尽くす姿に撃ちぬかれる。サビの、「狼煙上げろホルモン男児」の部分、最後の見得を切るのに近い振り付け部分で、長ランの裾を手刀でたくし上げる濵田くんの手つきの美しさは後世に残したい。そこだけ優雅で、ますます惹きつけられる。二本歯の下駄で軽々と踊り、移動し、フェイクを歌い、調子のよい日はシャウトをする。真っ黒な長ランと真っ白なサラシのコントラストが眩しい、舎弟にしてほしい。
堂々としたラップに「じゃねえ!」「Yeah!」「それそれそれそれ!」と合いの手を入れれば、もう双眼鏡は首にかかっている重しでしかない。7分割のモニターと、必死で踊り狂う濵田くんを肉眼で堪能しながら、私も苦労してきた放られるモンたちと一緒に、出番とばかりに踊る。
TAMER→Eternal
響き渡る咆哮と獰猛なダンス。冷酷な目線に一目射られれば、立ち尽くすしかない。
TAMERの濵田くん改めPurple Eagleは、誰よりも長い滞空時間を経て地上に着地する。 その飛び姿は本当に綺麗の一言。
淳太様の鞭と共にスイッチが入ったかのように動き出す猛獣たち。 ユニット曲のときは「なんやかんや」 と呑気に陽気に踊っていた二人集が、 ステージ中央あたりですれ違う瞬間。 ふたりとも強くマイクを握り締め、「狩る」 という明確な目標を胸にしているが如く。 普段から響きやすい二人の咆哮。 吐き捨てるかのように言い捨てるそれが野獣みに溢れていて、 いつもこの瞬間を見るたびにくらくらしてしまう。
基本はずっと濵田君を見ているのだけど、箍の外れた猛獣をこれでもかというほど見せつけられる。普段から荒削りであると捉えられがちなダンスがこの時ばかりは群 を抜いて目を奪ってくる。「全て捕らえろ」 で全方位に向けられる足の踏み込み方、フリに入るジャンプ、 一つ一つが心を捉えて離さない。
特に手を大きく振り下ろすフリだったり肩を上下させるフリ。肩と首の動きが全然違う。肩で息をしているかのような、 射ぬくような視線と、それでいながらどこか冷酷に、刻々と「 作業」をこなしているかのようなその態度。行為、ではなく作業。 そもそも行為なのか。考えすぎだろうか。
ああ、いつもの優しい「濵ちゃん」 とは違うダンスで魅せる表情があってものすごく好きだ。「 檻の中へ」のときの手の動きが忘れられない。檻だ。 口に牙なんてないはずなのに、その爪で心臓を爪弾かれる。
彼らの目的は「私たちを狩ること」とは少し違う気がする。「 全て」を手に入れる、ということから私たちもその全てに含まれてはいるのだろう。 ただ彼らの目的はご主人である淳太くんから「食べきれない褒美」 をもらうことであり、 私たちはただの褒美という目的のために必要な手段でしかない。あのWESTERN ANIMAL SHOWの中の彼らはその褒美を手に入れるため、私たちを狩ることをしている。この確実な温度差があろうとも、 あのステージと、スポットライトと、衣装と、音楽と、 全て淳太様が創りだした真っ赤な世界の中で成立している。あの世界観をあそこまで創りだす、 彼に感服、完伏。
「Purple Eagle」は「紫の鷲」。ただ、 鷲と鷹との境界線は実は大きさだけであり、 その基準は大変曖昧でもあるという。能ある崇は爪を隠す、 とはよくいったもので。
最後のアウトロ部分、6頭の猛獣たちが彼らの主人を取り囲み、 腰を突き動かすような踊りをする。中央列、左から濵田、中間、 桐山。抜群の安定感を誇る兄組3人の魅力たるや。「あ゛ー…」 という腑抜けた声を出すのを何とかこらえて、双眼鏡を見つめる。 一番最後の「Tamer」で調教師以外は皆後ろを向いて終わる。 ああ。終わってしまった。今日もこのサーカスにやってきて、 毎度のごとく鷲に狩られ、私は驅られ。 余裕があれば他の子も見たいと思っているのに、 今のところ冒頭の登場シーンぐらいでしか他4頭を見られたことが ない。*2
でも、終わってしまった、ではない。
息をつく暇もなく始まるリズム、燃える火柱、 足と体全体でリズムをとりはじめる、鷲ならぬ崇裕。 双眼鏡を握りなおし、必死でピントを合わせる。 メガネの視界が曇ってくる。第一公演、 期待を裏切らないながらああ、ここでくるか…!と思った。 体力が、いや、精神が持たない。色々いけない。 めぐるましく組まれるフォーメーションダンス、 その踊りの一挙手一投足を追いかけるのに必死。魚のように身を寄せ合い、「 震える天使を強く抱いた」 といいながらその力を込めた手で神山の拳を下ろすのも、 それはそれはもうなんともそそられるものがあるのだけれど、 サビも相当すごい。キスで手を離し、 永遠、指を振るフリ。燃え上がる炎、ああ、熱風をあげて男達が舞う。好きが過ぎるが故に、その女性を殺しそうな男達が歌い踊る。溢れ出るパワー。濵田くんは、どんなフリでも自分の手をよく見る。手を前にだすフリ、手を振り上げるフリ。基本的に最後までずっと視線で手を追いかける。結果、フリが視線運びとセットになり印象に残りやすく、そして彼の目眩く沢山の表情が見られる。
2番、「君が隣にいるなら」と淳太が言い、逆サイドから「どんな終わりも綺麗だね」と照史が言いながら出てくる。その瞬間がなんともきれいで、穢れ無き彼らで、この間違っているはずの愛も間違いではないと思わされる。そして、その間を割って入る、「後悔なんてない 夜が開けていくよ」。叫ぶ叫ぶ。響き渡るきれいな高音。もうこれがないと物足りない。CDを聞いても目を閉じれば思い起こせるのはあの横顔と、マイクを抑える手と、そしてなによりその歌声。そのあと、ラップ前部分の「Wow...」しかり、濵田くんの見せ場がたくさん、たくさんある歌だ。
そして大サビ。照史くんの高音フェイクを後ろ盾として歌う6人。フリもない。ただただ燃え盛る炎の中、濵田くんは半ば屈み込むようにしながら、時には足で、ときに全身でリズムをとりながら歌う。その太い首と、見える喉仏と、汗と、ああこんなに輝かしいものを6700円で見られる。そもそもそんな論理に基づいた思考も放棄して、ただただ食い入る様に見つめる。頭を空っぽにして、そのイメージを脳内に出来る限り残そうとする。
「Only Eternal Darkness...」と、薄暗がりの中で手を上に伸ばし、目の前で、顔を覆うように手を添える。濵田くんの手は、添えているというよりは自分の顔を半ば握っているかのように見えて、そのパワフルさに最後まで身震いする。響き渡る轟音。何かがそこで終わる。
ズンドコパラダイスが始まって、はたとその場に立ち尽くす。ああ、本当に本当に毎度、人生の何か大切なパーツをその瞬間だけ彼らに預けている。このもどかしくてくすぐったくて、でももう充足感しか感じないいこの気持ちを、会場内の空気を肺いっぱいに吸い込んで、吐き出して、今見た二曲を心に留めるがべく必死で反芻する。ラストスパートに備え、ペンライトを握りしめ、彼らの旅路を応援するがべく、ズンズンと共に歩んで行く。
ラッキィィィィィィィ7、後半戦も楽しみにしています。